製造業「トレース&アナリティクス」シリーズ
多くの製造業、特に組み立て製造業では、従来からの製造/生産、付加価値の高い製品開発/保守サービス、そして、これら全体に関わる品質保証領域などで仮想データ統合技術とIoT/ビッグデータを活用し改革に取り組んでいます。
私たちスマートインサイト社は、この分野に「トレース&アナリティクス」というコンセプトでソリューションを提供しています。
これまでに私たちが出会ったユースケースを、製造業「トレース&アナリティクス」と題して具体的にシリーズでお話してゆきたいと思います。
製造業の変革とIoT
製造業でよく耳にするIT分野のキーワードはInternet of Things (IoT)ということは間違いないと誰もが認めるところだと言えるでしょう。またIndustry 4.0というキーワードもまた一つの最もインパクトのあった言葉だと言えます。
この二つのキーワードは、製造業にとっては、製品を製造するという付加価値創造から、サービス化によるより強力な付加価値創造への取り組みを促進するという流れの変革が求められるところとなっています。
また一方で、現在のビジネスを支える製造/生産、付加価値の高い製品開発/保守サービス、そして、これら全体に関わる品質保証において、IoT/ビックデータを活用し、改革に取り組もうという機運があります。
組み立て製造業の大きな改革テーマ
私たちのおつきあいの多い、特に組み立て製造業では、ここに掲げられた大きく5つの分野について、今後の取り組みのお話が増えています。
しかしながらよく見ると、ここに掲げた課題は、それほど新しいものではないですし、これまで、何もIoTと言わなくても改革の必要性は認識されていたものばかりです。ただなぜここにきてこの分野での改革に取り組んでいる、または取り組もうとするお話が増えているのでしょう。ここにはIoTがきっかけになって改革のスピードをあげなくてはいけないという側面に加えて、ベテランエンジニアのリタイアという流れが本格的な、避けられないものへと現実化してきているという側面があるようにも感じられます。
一方で、この課題に対して、本格的な改革が進んでいると明確に答えられる企業もそれほど多くなく、どちらかと言えば途上にある、もしくは思うように進んでいないという企業が多いというのが現実ではないでしょうか。
新しいムーブメントとしてヨーロッパ/ドイツから発信されたIndustry 4.0、米国発信のIndustrial Internetという潮流とテクノロジーカットで見たIoTが重なり、さらに日本特有の人口減少を背景にしたエンジニアのリタイアという現実が、製造業に待った無しの改革をという機運があるというのが、ポイントではないでしょうか。
仮想データ統合技術とMµgenのアプローチ
私どもは、このような課題にどのようにアプローチするのかというキーコンセプトを提案しています。それは「トレース&アナリティクス」というキーワードです。この5つのユースケースのうち、「経営ダッシュボード」という課題を除く4つの課題はこの「トレース&アナリティクス」というコンセプトで効果的で、効率のよいしくみ作りをすることができます。また「トレース&アナリティクス」によって得られる知見は近い将来のマシンラーニング(機械学習)やAIのような最先端のアプローチを進める際にも非常に役に立つ知見をもたらすことになるという将来への布石になる話が含まれています。