Mµgenによる「トレース&アナリティクス」とはどのようなコンセプトで、どのようなことが実現できるのかということを説明したいと思います。
このコンセプトに至る背景となる話が一つあります。少し古くなりますが、有名なIT調査会社が2015年に発表したデータがあります。これによるとビッグデータに関する認知度は90%に上り、関心度についても30%といった比較的高い結果が出ていました。ところが一方で、ビッグデータの実際の活用度は6%であり、約半数の48%がビッグデータから「価値を得る方法が分からない」と回答しているということでした。2017年の現時点ではこのビッグデータをIoTと読み替えても問題はないでしょう。調査結果が発表されてから一年半経ちましたが、このトレンドが大きく変わって「IoT/ビッグデータから価値を得る方法が分った」と言える回答者が大幅に増えたとはちょっと考えられません。おそらくまだこの課題感が続いていると言っても良いと思います。

Q:ビッグデータの活用度?

認知度 90%
関心度 30%
活用度 6%
価値を得る方法が分からない 48%

出展:ガートナープレスリリース 「ガートナー、ビッグ・データに関する調査結果を発表 ビッグ・データを実際に活用している日本企業は6%という結果に 取組みが進まない主な阻害要因について、48%の企業が「ビッグ・データから価値を得る方法が分からない」と回答」 2015 年5月25日 http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20150525-01.html
2014年11月にガートナーが国内の企業に実施した本調査は、ユーザー企業のIT部門のマネージャを対象にしたものです。対象企業の業種は全般にわたり、有効回答企業数は703件でした。

ビッグデータ/IoT活用に必要なこと

この調査結果を見て、正直「驚いたな」というのが当時の率直な感想でしたが、一方で本当のところはこの通りなのかもしれないとも思います。メディアに出てきている事例は多くなってきてはいますが、ビッグデータは初期の過度な期待段階は過ぎでいて、思ったほどでもないという幻滅期に入っています。またIoTもこの傾向を追っかけていると思われます。
つまりビッグデータやIoTによるデータ活用の期待値は高いものの、どのような具体的なビジネスの局面で効果が出るのかというシナリオがより一層重要であり、必要になってきているということだということです。
私たちは、これまで仮想データ統合を主なテーマとして色々お客様とお話をしてきました。先回のブログにあげた改革の課題である五つの目的は、特に製造業にて各々の分野で改革を前進させるためのストーリーですから、ここに必要とされる多様なデータ・情報を思うように扱えるということが基盤ということになります。このストーリーを強力に支えて、推進するための素材がビッグデータであり、IoTから生み出されるデータということになってこないといつまでたっても「価値を得る方法がわからない」ということに終止符を打てないことになりかねません。

多様な情報/データの活用

Mµgenの解決策

Mµgenが提示している解は、簡単に言えば、データとデータを結びつけてそれを観察したり(モニタリング)、様々な観点で突っ込んでみたり(分析)、またデータとデータの関係を調べたり、物事が起きた要因を追求するということを実現してゆくことにあります。ここでは極力ITの事前準備なく、ビジネスユーザのリテラシーでスムーズにするためのソフトウエアをご提供するということです。しかも試行錯誤を前提としたアーキテクチャーでないといけないだろうということです。
多様なデータ・情報の活用といってきました。具体的には購買生産販売実績や顧客対応記録、さらには文書・画像・映像などで記録されるプロセス内で起きた出来事、これに加えてセンサーなどから生み出されるログというのが、多様なデータ・情報です。IoT/ビッグデータを利用することにより、よりリアルな現実を記録してくれますので、これを最大限に使って課題にアプローチするということができるようになってきたわけです。このことをビジネスユーザ主導で実現できるようにすることがMµgenの目標であり、開発の狙いです。
多様な情報源が企業内外にありますが、何かの現象を発見したら、この現象に関わるすべてのデータ・情報に対して、垣根を乗り越えて「トレース」することができ、取り出したデータ・情報を「アナリティクス」することができる「トレース&アナリティクス」というのがMµgenのキーコンセプトです。

Mμgen トレース&アナリティクス

  • 組織をまたがる多様なデータとのトレース
  • ビッグデータとビジネスデータの融合
  • 点と点を結び付けたアナリティクス