ビジネスアクションを支えるMμgen「トレース&アナリティクス」
ビジネスアクションを支えるMμgen「トレース&アナリティクス」
トレース&アナリティクス
Mμgenの「トレース&アナリティクス」というコンセプトと製品は「仮想データ統合」という技術を使って物理的なデータ統合をせずにITの課題を克服しようとしています。仮想化というと、サーバーやネットワークなどが仮想的に利用できるようになったことが思い起こされます。急速にコストメリットや資源の有効活用という側面から浸透しました。またクラウドの原点にもこの仮想化技術がふんだんに使われていることはご存知の通りです。
仮想データ統合もしくはデータ仮想化というキーワード が情報活用という場面で期待され始めているという記事を2016年後半くらいから時々見るようになってきました。あるIT調査会社ではデータ仮想化という技術は情報活用の側面では必然的に使われるようになるのではないかということを言っています。
製造業で私たちが課題としている分野や、この図に挙げている経営課題は全てが、現在の業務をそのまま進めながら、並行して改革を進めなくてはならないという宿命があります。企業活動を一日も止められない以上、これは避けては通れません。ましてITだけで片付く課題でなく、並行した業務改革や組織改革まで含まれますから、せめてITが足を引っ張ることがないということでないといけませんね。
これまでのITは必ずと言っていいほど、新しいシステムを構築する場合には、データの移動を伴います。しかしデータの移動を含む物理的な統合という方法では、実現へのハードルが高くなってしまいます。結果的に重要な課題であるけれども手をつけにくいもの、できれば効果があるけど、実現コストが高いものとして考えられてしまっているのが容易に想像できます。基幹業務システムだけでなく、IoTデータの代表的なログデータ、非構造情報であるドキュメント・画像・映像なども各々容量が大きくなる一方で、データの物理的な移動を伴わずに処理をすることができるとその効果は非常に大きなものがあるはずというわけです。
要求仕様&設計から可視化&仮説検証へのアプローチへ
もうひとつのイシューはシステムを作る際のアプローチを要求仕様から設計という一連のウオーターフローのアプローチから、可視化から仮説 検証し次に進むというスパイラルなアプローチを可能にしてゆく必要があるということがあります。
経営課題に対応した仕組みを作る際には、常に新しい業務改革や組織改革などを伴います。その業務イメージや組織運営イメージはあっても、IT部門や専門家に要求するための業務仕様や組織編成が確定してスタートを切るということはまず考えにくい状況にあります。
要求仕様書に書かれた範囲で設計・開発・稼働させるというこれまでのITシステム構築の世界から、すでに稼働しているシステムからデータ・情報を取り出し仮想的に連携した形での可視化を進めて、課題実現に向かって調整しながら進む、あるいは仮説検証を進めるというようなスパイラルなアプローチができれば、仕組み作りはより有効で、時々刻々と変わるビジネス環境に合わせたものとして使い続けられるのではないだろうかとMμgenは考えています。
短期間・低リスクで情報・データ活用インフラの構築
物理的データ統合とデータの価値
物理的なデータ統合にて新たなデータベースやデータウエアハウス(DWH)を構築して、そのデータを基にしてビジネスインテリジェンスツールにて可視化をするという方法は、この上の図にある流れで可視化、「見える化」が進みます。データはある程度の形になって見えてからその価値を発揮してゆくことになります。右側の図は時間の流れとデータ、情報の価値を図式化したものです。この図のように構築している時間はデータの価値はゼロで、可視化をして初めてデータの価値が上がることになります。
また前回書いたようにIoTの主役であるログデータは通常はマスターファイルとの突き合わせがされていないのでまだ見える段階にはありません。これをデータベースに入れるか、新しいNon SQL技術を駆使して統合するなどの手を打って初めて、ビジネスデータとIoTデータの可視化ができるということになります。データベースにまだ価値の見えていないIoTログデータをログごとにスキーマを書いて入れるという話にはなかなかなりませんね。一方Non SQLにて具体的な方法を作り上げるのはかなり技術的なスキルが必要ということになってゆきます。
仮想データ統合とデータの価値
仮想データ統合の場合には、データソースに接続するとその後仮想的にデータが繋がって見えるようになります。この間データを物理的に統合する必要がないので早く可視化ができるということになります。ただ最初に可視化した第一回目のスパイラルという段階では、これが欲しかったんだというデータになって見えるかどうかは、そのデータソースの品質や内容によって異なります。
ではでは再挑戦ということで、第二回目のスパイラルではさらにデータを追加したり、使うデータの範囲を絞り込んだり、あるいはさらに突っ込んでIoTログデータと試験的につないだり、ドキュメントデータとつなげてみたりということができます。このようにデータにコネクト=>可視化=>コネクト=>可視化というスパイラルを繰り返しながらデータの価値をあげてゆくというアプローチができるわけです。
この下の図はスパイラルアプローチとデータの価値の関係を示しています。
ビジネス上の要求や課題から始まる点では同じとしても、早く仮説を検証できる範囲でデータを可視化し、これを繰り返して価値あるものにしてゆくというアプローチでないと、激動する状況への対応はなかなか進まないというのが新しい現実なのではないでしょうか。