AIエージェントとは?なぜ今注目されているのか

近年、生成AI技術の進化に伴い、「AIエージェント」の導入がさまざまな業界で進んでいます。AIエージェントは、ユーザーの指示を理解し、計画を立て、ツールを活用してタスクを実行し、目的を達成する自律的なシステムです。

2025年7月には、OpenAIの「ChatGPTエージェントモード」や、Amazonの「Bedrock AgentCore」が登場し、AIエージェント開発の選択肢がさらに広がっています。

この記事では、AIエージェントの主な実装パターンを7つの構成に分けて解説します。

AIエージェント処理の実装(主なパターン)

【構成1】アプリケーション単体でAIエージェントを実装

特徴すべての処理をアプリケーション内に実装
利点自由度が高く、カスタムロジックを実装可能
使用例OpenAI GPT-4.1などの対話型LLMとの直接連携

自社独自の業務要件に完全対応したAIエージェントを開発したい場合に最適。細かいロジックまで自由に設計可能です。

【構成2】ライブラリやSDKを活用したAIエージェント構築

使用ツールLangChain、LangGraph、OpenAI Agents SDKなど
利点LLMとの連携やエージェント管理が容易
推奨LLMOpenAI GPT-4.1など

再利用可能なフレームワークを活用することで、開発の効率化・保守性の向上が期待できます。LLMの連携も容易です。

【構成3】クラウドサービス(Amazon Bedrock)によるエージェント実装

使用サービスAmazon Bedrock Agents(ノーコード対応)
特徴インフラの構築不要。スケーラビリティに優れる
対応モデルAnthropic Claude 4 Sonnetなど

自前のインフラ構築が不要で、スケーラブルかつ安定的な運用が可能。ノーコードにも対応しており、導入の敷居が低いのが特徴です。

【構成4】アプリ+ライブラリ+クラウドのハイブリッド構成

構成例アプリケーション + LangChain → Bedrock AgentCore上で実行
利点柔軟な開発と高性能なクラウド基盤の融合
LLM連携Anthropic Claude 4 Sonnet など

自社アプリのカスタマイズ性と、クラウド基盤の信頼性・拡張性を両立できる構成。エンタープライズ用途に適しています。

【構成5】ノーコードツールで簡単にAIエージェントを作成

使用ツールDify(フロー作成&実行ツール)
対象ユーザー非エンジニア、業務担当者でも構築可能
対応モデルOpenAI o3(推論特化型モデル)

エンジニアでなくても業務用AIエージェントを作成できるのが魅力。プロトタイピングや部門単位での導入におすすめです。

【構成6】推論特化型モデルとの連携による専用アプリケーション開発

使用モデルOpenAI o3など
特徴特定業務に特化した推論・判断処理を強化
用途例レポート生成、データ解析、意思決定支援など

データ分析や推論処理を重視する業務に適した構成。対話よりも意思決定支援やロジック重視のタスク向けに有効です。

【構成7】ChatGPTエージェントモードの活用

リリース2025年7月17日、有料ユーザー向けに提供開始
特徴ユーザーがChatGPT内でエージェントを構築・運用可能
メリットGUIで簡単操作、API連携も柔軟
使用モデルOpenAI GPT-4.1

誰でも使えるChatGPT上でエージェント機能を活用可能。初期コストが少なく、すぐに業務自動化を始めたいユーザーに最適です。

まとめ:AIエージェントの実装は目的に応じて柔軟に選択を

AIエージェントの実装方法は、アプリ内完結型からノーコード、クラウド連携型まで多様化しています。重要なのは、自社のユースケースや開発リソースに最適な構成を選択することです。

今後も、LLMの進化やエージェント構築ツールの拡充により、さらに多様な実装方法が登場するでしょう。まずは、この記事で紹介した7つの構成パターンを参考に、自社に合った導入方針を検討してみてください。


  • 記事に記載されている製品名・サービス名・会社名などは、各社の登録商標または商標です。
  • 本記事は各社との提携・認可を受けたものではなく、情報提供を目的としています。