今回のコラムではMµgen製品の概要について説明してゆきたいと思います。

 

Mµgenは仮想データ統合を実現するソフトウエアですと前回までにお話ししてきました。仮想的に統合・可視化を実現する機能を持つということで、この図を元にして構造を説明したいと思います。大きくは対象とするデータへのコネクトをする部分=この図では下の方に位置するMµgen Connector Optionという部分があります。ここを通じてデータソースとのやりとりが行われます。
二つ目の構造は、コネクトして得られたデータを操作する部分で、Unfired Data Access、Enterprise Data Graph、SMART Data Chain、などのコンポーネントより構成されます。この機能を操作するのは中段の左側にあるData Studioというビジュアルツールとなります。
三つ目の構造は、最上部にあるDash Boardという所で、ここでダッシュボードにウィジェットという表示部品を選択してデータを見やすい形で可視化する所になります。これは上段左側にあるAnalytic Studioというビジュアルツールで操作をして必要なダッシュボードを作ってゆきます。
では各々の機能を説明して行きましょう。構成されている機能のうち主要なものとそのポイントを示したページがありますので、ご覧ください。
仮想データ統合アプリケーション Mμgen(ミュージェン) 機能概要 

Unified Data Access

Mµgenでは全てのデータを統一したデータモデルで扱います。この中では、まずデータを取り込むためのコネクターというパーツが用意されています。用意されたコネクターを利用し元のデータソースに接続して、データテーブルなどのスキーマー情報を読み取ります。スキーマー情報は内部的に「データモデル」として定義され、一旦定義されたデータモデルはどのような形のデータソースから取り込まれたとしても、Mµgen内部では全て同じデータ形式として扱われます。
仮想データ統合アプリケーション Mμgen(ミュージェン) Connector
MµgenではDBMSやSearchなどへの標準装備のコネクターと、Mµgen Connector Optionを用意しています。Mµgen Connector Optionでは約200種類のデータソースを対象にしたコネクターを用意していますので、製品のコンセプトであるトレース対象のデータソースを大幅に拡張することができています。この発表のニュースリリースを是非ご参照ください。
スマートインサイトとCData Software が業務提携
~Mµgen / SMART/InSight G2 の対応データソースが大幅拡大~
このMugen Connector optionを利用すると前回までにお話をした、DBMSとCSVやExcelという組み合わせなどは非常にシンプルに同じデータモデルとして処理をすることができるようになります。
また、グループウエア(Sharepointなど)やCRM(Sales Forceなど)のデータを扱うことができるのに加えて、別途オプション製品の「Crawler 2.0」と同時に利用することで添付されているオフィスファイルなども、トレース対象として扱うことができるようになります。
このような広い範囲までトレースを広げることができるのは、仮想データ統合、データ仮想化の概念を大きく超えた製品になっているものと考えています。 

Enterprise Data Graph

Mµgenでは接続されたデータソースのスキーマーを登録した後に「Enterprise Data Graph」を生成してくれます。これはデータモデル間の関係を可視化するツールです。自動的にアルゴリズムを利用して、データモデルにあるフィールドのうち関係のありそうな、異なるデータモデルのリレーションを図示してくれる機能です。
データモデルのフィールドの名称だけでなく、データそのものも判定に利用してより精度の高い関係性のあるものを探し出すための支援をしてくれます。
仮想データ統合アプリケーション Mμgen(ミュージェン) Enterprise Data Graph®
IoTアプリケーションを作る準備作業として、企業内データがどこのデータと関連があるのかを把握することは困難な作業の一つです。設計ドキュメントが古くなっていたり、メンテナンス精度が悪かったりするともはやお手上げで、ひとつひとつのデータを直接見るしか方法がないというのはよくある話です。Mμgenはデータ統合や分析に入るまでの作業を支援してくれます。またこの関係性をMµgenでは内部に情報として持っていますので、直接統合していないデータ間でもダッシュボード上では関係があるものとして可視化を進めることができるようになります。 

SMART Data Chain

SMART Data Chainという機能については下記リンクページに解説とビデオがありますが、物理的なデータを統合することなく、全く異なるデータソースを使ったグラフが各々共通のキーで絞り込まれている様子が分かると思います。このように異なるデータソースには直接手を加えることなく、可視化をするというのは物理的なデータ統合では考えられないことのはずです。なにがしかの物理的なストアにデータを読み込み(インメモリーであっても)その上で絶対一致したデータのみを扱ってアプリケーションを書かなければ実現しません。
仮想データ統合アプリケーション Mμgen(ミュージェン) Smart DataChain®
MµgenのこのSMART Data Chainは前回のコラムで説明したスパイラルなアプローチを支える重要な機能となっています。 

Mµgen Search

さらにMµgenではもう一つ非常にユニークな機能を提供しています。Mµgen Searchと言って、作成されたデータモデルや可視化ダッシュボードを簡単に探し出すことができる機能です。これによってどこか別の部門やチームで作成されたデータモデルやダッシュボードを、その人に聞かなくても別の組織メンバーが簡単に探し出すことができ、情報を共有するためのツールです。
仮想データ統合アプリケーション Mμgen(ミュージェン) Mμgen Search

今回はMµgenの機能概要を説明しました。次回より製造業のユースケースを順々に説明してゆきます。